「心理学」タグアーカイブ

福岡市西区姪浜で起きた19歳の予備校生殺人事件、 26歳女が49歳男から1300万円を騙し取った結婚詐欺事件について

○福岡市西区の姪浜で、東大志望の19歳の予備校生が知人の男に殺害された事件。こういった愛執・憎悪・支配欲を恋愛と勘違いした自己愛・妄想型の事件を見ると、今の若い女性が恋愛に消極的なのも分かるというか、一方的に思い詰めて愛情と憎悪を混同するしつこい男に気に入られて、対応を誤ったら最悪の結果も招き得る。

19歳男の供述では『告白して曖昧な返事をされたから馬鹿にされたと思って殺した・好意が叶わなかったから殺した』という理不尽で自己中心的な動機が語られているが、『一方的に好きになった相手から断られた・軽視されたからの理由』で殺意や悪意を覚えて実行するパーソナリティーや行動原理は退行的・幼児的ではある。

男女間のトラブルには『DV・ストーカー・モラハラ・セクハラ』などがあるが、どちらかというと『付き合う付き合わない・別れる別れない』などの孤独耐性や自尊心の強度が関わる問題では、男性のほうが女性よりも非適応的で執拗・異常なメンタリティーに落ち込みやすく、暴力的・衝動的な犯罪に至りやすい傾向はある。

相手が嫌といえば嫌だと認める、どうしても別れたい(付き合えない)といえば別れるしかない等、『言語的コミュニケーションが通じる精神状態』を維持する事が重要だが、『相手が好きという感情』を『自分の支配欲・快楽・自尊心を満たす手段』のように勘違いする所にストーカー・妄想や暴力的な犯罪のリスクが生まれる。

加害者と被害者にはグループでの交友関係はあったが、男女交際等はなかったと報じられており、予備校で顔見知りの男に突然刃物で襲撃された女性の恐怖・無念を思うと犯人の身勝手さは許されないものだ。『曖昧な断り方』でなく『はっきりした断り方』だったら良かった類の問題でもなく、事前回避の難しい問題ではある。

続きを読む 福岡市西区姪浜で起きた19歳の予備校生殺人事件、 26歳女が49歳男から1300万円を騙し取った結婚詐欺事件について

現代の日本人はなぜ幸福感を感じにくいのか?:他者との連帯感や思いやりを感じにくい経済社会の構造

近代化・市場原理の禁断の知の果実を食った反動。『文明・技術の進歩+他者との競争・差異の承認』は他者との境界の自我を強化し、『定常型社会・共同体的連帯』に戻れなくなる。

留学生たちと語った「日本人の幸福度が低い理由」 所得以外の何が足りないのか?

近代化・工業化を成し遂げた日本人や欧米人の幸福度がなぜ平均して下がりやすいのか、端的に近代化は個人化と能力主義(能力・魅力の需給のバランス)であり、『ただそこにいるだけ・頑張っているだけの人の価値』を概ね認めず、『現状維持でのんびり生きるライフスタイル』を許さない成長の強迫観念が常にある。

世界トップクラスの売上と利益を上げているトヨタのようなグローバル市場の勝ち組の会社であってさえ、『去年と比較して今年はどれだけ利益を増やせるのか?』という市場と株主の暗黙のプレッシャーを受け続けていて、絶対に休めない(これでもう十分とは言えない不安を煽る)仕組みが資本主義には織り込まれている。

続きを読む 現代の日本人はなぜ幸福感を感じにくいのか?:他者との連帯感や思いやりを感じにくい経済社会の構造

高学歴女性に対する印象・偏見・コンプレックスと恋愛関係における男女の相互評価(相性認識)のバランス

学歴・知性にコンプレックスがある側に被害妄想の悪印象が生じる事もあれば、学歴・知性を権威的・競争的に示す側が傲慢に映る事もある。学歴に限らず職業・収入・容姿・家柄も落差があれば差異の解釈で印象は変わる。

「高学歴女」ってぶっちゃけどうなの!? 男性には好印象? それとも……

差異があっても差異を『優劣の意識』に結びつけず、『相手の人間性・生き方の価値』をそれぞれの次元で尊重して認め合えるようであれば、学歴の差異は男女関係の障害にはならない。だが何らかの対立でその差異を『相手の欠点(だから高学歴・低学歴は?)』に結びつけた批判が不意に口をつけば関係が修復困難にもなり得る。

差異のフラットな承認を継続的にするのは『倫理・理想の言論(ディスクール)』としては簡単に感じるが、実際は人間の心理には『属性・能力・魅力の差異=優劣の図式』が組み込まれやすく、表面で倫理化された人格が何かのきっかけで突然崩れて、『相手の痛い所をつく嫌な人間性』の影が覗く事(そう被害妄想する)もある。

続きを読む 高学歴女性に対する印象・偏見・コンプレックスと恋愛関係における男女の相互評価(相性認識)のバランス

男性を“デレデレ”にするための方法:男性の短期的なデレデレと長期的な誠実さ・貢献の違い

男性の年齢が若いか女性を求める心情が強いか(生き方・人生設計が素直か)他の女性にそれほどモテなければ、デレデレにする事自体は難しいことではないが…デレデレは知覚や性の快感の面が主で、『人間性・パートナーとして好き』とはズレも生じやすい。

男性を“デレデレ”にする4つの方法

厳密にはおじいちゃんの高齢男性でも、ちょっと可愛らしいお姉さんから優しく親切に笑顔で接して貰えると、デレデレしていたりするので(気難しいおじさんでも綺麗な子が丁寧に接すれば態度豹変するが普通はそうしてくれないだけ)、年齢を問わない面はあるが…『表面のデレデレ』は本能的であんまり当てにならないもの。

女性が10?30代位の年齢で、デレデレにさせるのが難しい男というのは、単純に『自分よりも総合的魅力がかなり上(年齢がかなり下)の男』である可能性が高い。概ね釣り合いの採れた男で平均的な性格・欲求・人生設計なら、『笑顔・受容(話を聴く)・共感的(好意示す)・積極的(誘いに乗る)』でその場の心は掴める。

続きを読む 男性を“デレデレ”にするための方法:男性の短期的なデレデレと長期的な誠実さ・貢献の違い

高2男子生徒による祖父母殺害事件と無差別的な破壊衝動

祖父母に対する憎悪の鬱積のような理由もなく、高校生活が上手くいかないストレスを解消するため、祖父母を殺害したという動機は理解しがたい。「誰でも良かった」と供述しているようだが、ストレスからくる破壊衝動の発散方法の異常性か。

祖母殺害容疑で高2男子生徒を逮捕 「誰でもよかった」

反抗期にある思春期の子供が、親(祖父母)から勉学・進路・異性交遊などについて毎日うるさく言われて、それに耐えられず家庭内暴力を振るうようになるという事例はありふれたものとしてある。しかし『殺害そのものを目的とした家庭内暴力』はよほど激しい虐待・支配・侮辱の持続でもない限りは起こりにくいものだ。

続きを読む 高2男子生徒による祖父母殺害事件と無差別的な破壊衝動

『ご苦労さん』の言葉遣いでキレた事件から考える中高年期の精神的危機(アイデンティティ・クライシス)

自分の精神状態が安定し他者との敵対的なフレーム(優劣の構え)がなければ、言葉遣い云々で激怒する人は殆どいないが、40代中年期は境遇によって自己定義が揺らぐ世代でもある。

「ご苦労さん」は失礼なあいさつなのか? 大阪知事選の投票所で47歳会社員が激怒

40代は順境にあれば人生の収穫期になることも多いが、仕事・経済でも家族面でも異性面でも、ゼロからの立て直しができないと自覚せざるを得ない斜陽感の生じる年代で、なまじ自意識の強い人が挫折感・不遇感を感じている場合には孔子の説いた『人知らずして慍みず、また君子ならずや』の道から遠ざかって殺伐としやすい。

『論語 学而篇』で最も知られるこの言葉は、中学の国語で習う定型句だが『学びて時に之を習う、また説ばしからずや…人知らずして慍みず、また君子ならずや』が実感として滲みやすいのが中年後期だろう。我こそはの自負心の強かった孔子が人に知られない挫折を悟った時、人を恨まずに天命に生きる為の自戒でもあった。

続きを読む 『ご苦労さん』の言葉遣いでキレた事件から考える中高年期の精神的危機(アイデンティティ・クライシス)