物質的に豊かな成熟社会の幸福実感は個人的・相対的になり、『金銭・自由・人間関係』で他者より恵まれてないと思うと不幸になりやすい。だが絶対的な生活水準・利便性では現代人の中流は近代以前の王侯貴族を超えている。
日本の「幸福度」は155ヵ国中51位。ランキング上位の国々が考える「幸せ」とは?
並みの人間は『個人の贅沢・快楽・自由・保障・異性』などを基準にした幸福追求を目的にすれば、『自分よりも持っている(気楽そう・楽しんでそう・能力がある美形である)他者との比較・劣等』によって相対的幸福感の罠にはまり不遇感に陥る。現代日本の庶民には『学校・家庭・勤め先以外のコミュニティ』が乏しいもある。
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○公衆トイレの屋根裏は盲点だが『屋外で合法的に無料・長期に寝泊りできる場所』がまずない。就労意欲のないホームレスになれば、好むと好まざるとに関わらず公有地か私有地の不法占拠になるだろう。
「屋根裏に人が」公衆トイレで寝泊まり数年 侵入の疑い
結局、近代社会は初期まで住宅のない乞食を『浮浪罪』で犯罪者として処遇したように、『お金・住宅・家族・労働意欲』がなく『行政から保護される為の交換条件』も拒絶すれば合法的な生活拠点の確保が困難になる仕組みになっている。ホームレスになる自由、世俗・労働社会と絶縁する自由はあるようでないのが現実である。
マクロな視点で見れば、現代人(近代人)はよほどの資産でもない限りは、身体も行動も生活拠点も国家権力(法治主義)・市場経済に雁字搦めに管理されていて、原則お金を稼ぎ続けないと合法的に生きられない。不自由だけれどもその管理・義務の目から完全に抜け落ちれば『一箇所で寝る・食べる事自体が犯罪の針の筵』に…。
続きを読む 公衆トイレの屋根裏に寝泊りしていた男とホームレス問題、 昨日の大雨と熊本地震から一年が経過。 →
児童殺害事件の犯人像は一般に『無職・非社交・変質者・独身』等の属性が偏見と共に想起されやすいが、『PTA会長(保護者会会長)・見守り隊・子持ち・地域密着』は想定を超え過ぎている。 近所に住んでいて地域社会や子供の見守り隊(パトロール)にも参加していた渋谷恭正容疑者(46)が、リンちゃん殺害容疑で逮捕された。
ベトナム人女児殺害、近所の40代男逮捕 死体遺棄容疑
リンちゃん殺害事件は固定の防犯カメラが少ない事で捜査難航に見えたが、『移動するドライブレコーダーの映像記録』が側で息を潜めていた意外な犯人を炙り出した。リンちゃん殺害後に子供を見守るパトロール隊にのうのうと参加できる渋谷恭正容疑者の神経は図太いが、今見ると視線に力なく呆然とした感じで参加している。
続きを読む リンちゃん殺害事件で、近所に住む意外な40代男が逮捕:PTA会長で小学生の見守り隊にも参加していた人物 →
『75歳以上が高齢者』とする御用的な日本老年学会の再定義を流用し、自公政権の社会保障削減のロードマップが露骨にアピールされている。公的年金の給付開始年齢を65歳より上に上げたい意図が透けるが、70歳まで『ほぼ現役世代』にして働けば超高齢化社会を乗り切れるはずだと、生涯現役気分の片山さつきPT座長は意気軒高だけれど……上からスタッフに指示しながら働く国会議員と、上から命じられて働く一般労働者は同列には語れない。
確かに75歳未満をすべてほぼ現役世代にして、年金・医療・介護の社会保障に頼らなくて良いとすれば、社会保障財源の問題は粗方片付くが、その片付き方が『75歳までみんな元気でバリバリ働く』でなく『お金・健康・保険がない人から先にバタバタ恨み節で死んでいく』だけであれば、先進国としてはアウトである。
60代前半までは致命的疾患・持病・心身障害がなければ大半の人がそれなりの健康状態にあるはずだが、70代というのは遺伝・体質・病気の限界からお金があっても自然に亡くなってしまう人も増える世代で、過去の無理がたたって一気に衰える人も出る。大半が75歳まで社会保障の支え手のまま適度に働ける前提が怪しい……
続きを読む 高齢者の年齢の定義の引き上げ、『70歳までほぼ現役世代』にしたい政府の思惑:引退できない生涯労働時代の到来か →
WHO職員で喫煙者がいたら肩身が狭いか昇進の限界がありそうだが、WHO及び健康増進の国際世論ではタバコは本来なら廃絶したいレベルの思想があるだろう。21世紀末にはタバコ自体の規制も有り得るか。
WHO「喫煙場所で食事あり得ない」 新橋の飲食店視察
WHOがこれだけ世界的に禁煙・分煙の啓発運動と政治的圧力をかけ続けている事を考えると、東京五輪のような国際的イベントを開催すれば『飲食店の全面禁煙圧力』は想定の範囲内ではある。日本は特に体裁にこだわるので、オリンピック開催になると喫煙・風俗に限らず全般に清く正しくの綱紀粛正の傾向はでやすいだろう。
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司馬遼太郎が高度成長期前の景気・給料の悪かった(会社勤めが増え始めた)昭和30年代にサラリーマンは『良き伴侶を得て家庭を作る為に働く家庭業』と記したが、旧時代のジェンダー(結婚出産が当然の時代論)と同時に現代にも通ず『勤め人が仕事自体が嫌でも働く意味』を示す。今の若者が勤め人に苦悩し迷う由縁でもあるか。
司馬の語る『サラリーマン』と『芸術家』の価値観や生き方の差異と、いずれの生き方をしても貴賎はなく運命を享受する他ないとする物言いは共感させられる部分も多いが、こういった処世術的なエッセイを書いていた時代の司馬はまだ新聞記者の一介のサラリーマンで、歴史小説家として踏み出すか迷いの時期でもあっただろう。
こういった話とも不思議と重なるが、現代の20?30代のイケイケ風の若い女性が書いたエッセイに『散々やりたいことをやって、結婚・出産でもしないとやることがなくなった(何をしても同じ事の繰り返しに感じた)』と書いていてなるほど確かに多くはそこに行き着く、司馬のいう家庭業としてのサラリーマンとも関連する。
続きを読む 司馬遼太郎の昭和30年代の家庭業としてのサラリーマン論:サラリーマンも芸術家も生き方として貴賎なし →
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