「現代社会」タグアーカイブ

バングラデシュ・ダッカのテロ事件の犯人は『裕福な家・高学歴の若者』が多かった:なぜエリート崩れはテロに駆られやすいのか

バングラデシュのテロ事件の加害者が『裕福な家庭・高学歴のエリート層』だった事が想定外な感じで報じられているが、思想犯としてのテロリストはいつの時代でも『インテリ層(エリート崩れ・思想言語による世界観の構築と挫折の反動)』が多い。連合赤軍にしてもオウム事件にしても無教養ではない確信犯のインテリだった。

バングラデシュのテロ事件の加害者は、イスラム過激派の聖戦・反欧米の思想にかぶれたとも言われるが、『世界・国・社会の矛盾を孕んだ現実』に対し、インテリは概ね『高待遇・権威的なポスト』のエリートになる事で折り合いをつけるが、思想犯のテロリストになるのはエリートになり損ねた自己顕示の強いインテリ層に多い。

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核家族化・未婚化・単身世帯化が急速に進む現代で『孤独死』をどう回避できるのか?

団塊以上の『皆婚世代』で複数の子・孫がいても孤独死は多いが『核家族化・同居拒否・他者への無関心化』もある。現代人は可能でも大家族や大勢での共同生活は敬遠しやすい。高齢者コミュニティ・地域社会の所属や奉仕に積極的な人なら完全孤立は回避しやすいか。

孤独死を防ぐために、一人一人が今できること

現実問題として、人は一人では生きられず完全な孤独には耐えられないのはあるが、それでも現代社会では『人間関係や共同生活のストレスを避ける・自分が興味関心のない人や集まりにはコミットしない』など非社交的・自己防衛的な人は多く、半ば間接的に孤独な状況を選んでいる所(人の煩わしさや面倒に意識が向く所)もある。

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“お金・美貌の高低”を巡る幸福追求と自我(エゴ)の強度・視野限定の知足

現代を生きる大勢の人々は『幸福追求』に呪縛されていて、憲法までも『幸福追求権』を人権の一部として追認している。

幸福というのは蜃気楼に浮かぶ砂上の楼閣のようなもので、自分は幸せだなと実感した日の翌日になれば、また何となく冴えないつまらない毎日だなと思ったりもする。幸福は自分の置かれた状況や関係によって現れたり消えたりを繰り返す、幸せはずっと自分の元に置いて留めておくことが難しいものである。

マツコ「全然幸せになんねぇ」、お金稼いでも結局は「キレイなほうが得」。

ある年齢の時に幸せだと思った状況が、別の年齢の時にはそうは思えなくもなるという『幸福の条件の流動性』もある。『自分が最高の幸せの条件』と思っていたモノや相手、環境を手に入れても、それがどのくらい持続するかははなはだ心もとないものである。

『幸せといえば幸せといえる状況・瞬間・能力』を多くの人は何かしら小さなものでも持っているのだが、現代の資本主義の競争社会では『自分や周囲の何人かだけにしか通用しないような幸せ・楽しみ・満足』は軽視されやすい。

SNSの知り合いの投稿やニュースの世間一般の動向を見ていると『自分よりも幸せそうな人生や面白そうな日常を送っている大勢の他者』が目について、自分だけが恵まれない不遇をかこって、面白くもない日常を送っているのではないかという劣等感・焦燥感も生じやすいだろう。

現代では自分だけにしか通用しない自己満足的な幸せは軽視されやすいが、安定した幸せや安らぎを得る決め手になる思考・感覚のヒントは、実は『他人が自分の幸せのレベルをどう評価してくれるか』よりも『自分の世界観・行動方針・好奇心(探究心)の魅力』を高められるかの側にあることが多い。

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北海道釧路のイオンモールで4人が死傷(女性1人が死亡)する無差別事件:現代を生き抜く処世術

無差別殺傷事件は、『孤独・貧困・絶望』をこじらせて自殺ではなく他殺に走る『拡大自殺・巻き添え・社会憎悪・自暴自棄の心理』と関係する。現代は人知れず絶望したりひきこもったりする無数の人が、『不可視化』されて再起しづらい社会であり、大多数は『他害・犯罪』ではなく『自己否定・うつ』に向かいやすい。

男が切りつけ女性4人死傷 釧路のイオンモール (朝日新聞デジタル – 06月21日 16:28)

33歳の容疑者の男は新聞配達のバイトをして、両親・妹・妹の子と暮らしていたという。高齢に近づく親とシングルマザーの妹との同居で暮らし向きは厳しく、将来の明るい見通しも立ちづらかっただろうが『自分の不幸・絶望・怒り』の責任を八つ当たりで無関係な他人に求めても無意味で自分が決めて変わる以外の方法はない。

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AV出演強要事件から考えるリスク・対応(自衛)・誘惑:どうしてこんな子がという若い女性が出る現代の心理欲望的・社会経済的な問題と構造の分析

『AV出演強要』の一般的な構造は、スカウト担当者がアダルトの勧誘である事実を隠して、容姿を売りにする仕事の中で、『芸能界・グラビア・モデルなど若者にステータスのある仕事のスカウト』であるように見せかけて“判断能力・社会経験・自己規定”が未熟な若い女性を勧誘することから始まる。

AV出演の義務や違約金を定めた契約内容の詳細を伝えずにわざとわかりにくくして、とりあえずサイン(署名・捺印)をさせて身分証(実名・住所・大学など個人情報)の控えを取ることで、そのサインを契約内容の合意の証拠として出演を強要したり脅す材料にしたりする構図がある。

不本意にAVに出演させられる被害を未然に防ぐためには、『簡単に契約書にサインしないこと・一回の出演という既成事実(親にばらすなどの脅される材料)を作ってしまわないこと・サインしても一般基準において公序良俗に反する仕事内容を必ず履行しなければならない義務があるわけではないこと(弁護士や法律専門家のいるNPOにまず相談してみること)』を意識しておくべきだろう。

脅し・甘言・交渉でパニックになってもその場で同意・出演をせず、紋切り型のフレーズとして『弁護士に相談してから返事をします』と答え、その場をまず何とか離れることだが、実際に強要・脅迫のプレッシャーを感じている場合でも弁護士同伴で現場に赴いて契約無効の交渉をしてもらえば、相手も後ろめたい部分があるだけに面倒事を恐れて契約書をその場で破棄してくれる可能性は高い。

同じ女優であってもその経路が、『自分自身で応募してくる人(経済的困窮・興味本位・成り上がり)・風俗業界などで知人から紹介される人(AVと知りつつ報酬に納得して参加してくる人)・借金返済などの理由から参加する人・思慮が浅くお小遣い稼ぎの感覚で参加する人』と『容姿が魅力的であるために業者側から勧誘される人(中途半端な説明で雇用契約などにサインをさせられその後は脅し・甘言・報酬・既成事実などで言いくるめられて流れに乗せられる人)』では事情が異なると思われるが、出演強要が問題視されるのは後者だろう。

業界のスカウト担当者は若くて爽やかな清潔感のあるイケメン風の男であることも多い。悪意なさそうなイケメンがきちんとスーツを着こなして社会人としての礼節も守りながら、『容姿やスタイルがずば抜けて綺麗で目立っていたからちょっと声をかけさせて頂いたんですけど、芸能界やモデルのお仕事に興味はありませんか』と柔らかい物腰と爽やかな笑顔で声をかけてくる。

この時点ではコワモテな強要や威圧的な雰囲気などあるはずもなく、見た目さわやかで礼儀正しい感じの悪くない青年(あるいは自分もその事務所で仕事経験があるという眉目秀麗なスーツ姿の綺麗な女性かもしれない)が、『お時間がよろしければ、お仕事についてご説明だけでもさせていただきたいのですが、そちらのカフェでいかがでしょうか。説明はすぐに終わりますし、興味が湧かなければ断って頂いて全然構いませんから、気軽にお願いします』と来ると、押しに弱くて暇な女性やそれなりに容姿の自己評価が高くて芸能・モデルの業界に興味のある女性なら、お茶くらいいいかと思って話を聞いてしまう可能性はある。

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計画経済の閉塞感に包まれる現代社会の老後の不安と若者の憂鬱:若くして老後を心配させられるシステム・負担増加

現代の経済成長・人口動態が停滞した『福祉国家・老後保障制度の不幸』は、生まれながらに80~90代まで生きる計画経済に嵌め込まれ、20代でさえ『老後が心配な老人の精神』に侵されて守りに入りやすい事だろう。

<老後の不安>非正規労働者は76% 正社員69%  (毎日新聞 – 06月06日 10:52)

超高齢化社会・福祉国家の連動は、ただ高齢者が増え経済が停滞するだけでなく、メンタル面のアグレッシブな若者が減る副作用がある。20?30代から『財政危機・高負担を前提とする計画経済・予定調和』のフレームワークで考えざるを得ないから、資本主義の先進国も実質は身動きできない社会主義の末期状態に陥る。

現在の国家予算のうち約5割は『国債償還費・社会保障費』だが、社会保障負担は一般会計よりも特別会計のほうが大きい。保険料負担を含む社会保障総額は年間100兆円を超えた。一般会計で年1兆円増える、トータルでは年3~4兆円で社保コストは増える、今不十分とされる年金・医療介護の現状維持も相当な負担増が要る。

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