現代はニーチェの貴族道徳のように『強さ・美しさ』で比較競争するが、『弱さ・醜さに寄り添う心』もまた人を動物と隔てる倫理的本性である。
「見た目問題は障害」バケモノと呼ばれた男性の願い 就活で心砕かれ…「君に会いたい」将来を導いた出会い
容貌障害が『広義の障害』として認知され、心身障害・知的障害と同じく公的支援を受けられるようになる事が目標なら可能と思うが、『自分の心の救済=自己肯定・劣等感克服』を成し遂げるには公的支援に加えて、現代の世俗的な価値判断や他者の反応・選好に振り回されない『自分の核』を構築する必要がある。
『見た目問題』と『美醜問題』の差異を論じたこともあったが、見た目問題は『遺伝子異常・先天疾患や腫瘍・大怪我で見た目が大きく変形・損傷した者』が社会経済的に不利な待遇をされる問題であり、正常範囲の容貌から極端に逸脱して社会生活や就労・交流が著しく困難になったり差別・偏見で心的外傷を受けやすくなる。
続きを読む 「見た目問題」の苦悩と現代のルッキズムの承認欲求:過去以上に容姿・外見に振り回される現代人 →
おばあちゃんと呼ばれて気にする70代以上の人は少ないだろうが、30~40代前半は『若くもなく年寄りでもない年代』で、自意識も見かけも呼称の受け止め方も個人差が大きい。
「おばさん」と言われたことがなかった38歳女性、「初めておばさんと言われて」大ショック
『おばさん』も『おじさん』も中年期の男女を指す代名詞だが、その語感には『もう若くはない人・華やかな時期が過ぎた人・色恋の現役ではない人』といった意味がどこかしら含意されている。男性がおじさんと呼ばれるより女性がおばさんと呼ばれる方が気にする人が多いのは、若さと美で見られやすいジェンダーの影響だろう。
続きを読む なぜ『おばさん(おじさん)』と呼ばれると現代人はショックなのか?:結婚・出産の個別化とアンチエイジング・若さ重視の文化 →
少子高齢化問題は1990年代から指摘され続けているが、『皆婚・早婚・多子・同調圧力・児童労働の前提』が概ね崩れた先進国は程度の差はあれ少子化傾向になる。所得減少・格差社会も少子化を強める。
<人口動態調査>8年連続で減少 1億2558万3658人
既に出産可能な女性の人口が減ってきているので、急激な人口増加への反転は期待しづらいが、日本より韓国・香港・シンガポール等の出生率が低いことを考えると、少子化は日本特有の問題ではない。『自立までの子育てにお金がかかる国・教育水準が高くなった国・子の自立が遅くなった国・格差が大きい国』は少子化に至る。
政治が悪いから子供が増えないという単純な問題ではなく、現代の経済社会・先進文明が抱える『個人の人権と尊厳・選択の自由と決断の放棄・市場競争原理・建前の平等と実際の格差・子の非生産性(孝行から子のために親が援助へのシフト)・性の代理満足』などによって積極的に子供を増やしたい男女が減っている。
続きを読む 日本の人口が8年連続で減少、1億2558万3658人に:日本の少子化はなぜ進むのか? →
モラル希薄化ではなく地域の共同体性の崩壊とライフスタイルの個人化・静謐化が根本原因だろう。子供本人や親と気軽にコミュニケーションして移動して貰える関係があればまた変わる。
「道路族」トラブル深刻=住宅街路上で遊ぶ子と親―地域モラル希薄化・専門家
地域の共同体性が崩壊すると、お隣の親子でも挨拶や雑談をしない『赤の他人』に近くなり、『地域共同体の一員』ではなくなるので勝手に『話し合いが通用しない異質で不快な人たち』と決めつけてしまう。道路・自宅の周辺で遊んだり大声を出したりしていると『他人に自分のパーソナルスペースを侵害される圧迫』が強まる。
『コミュニケーションをしない親子(話し合いが通じない異質・不快な他者)』と『一方的に理不尽に自宅で我慢し続けている自分(少し移動してくれと言えない自分)』が組み合わされると、最悪の場合、精神状態が悪化してよく事件報道にあるような刃物を持って公園等に押しかける犯罪者のようになる。
続きを読む 子供を道路・住宅地で遊ばせる『道路族』と生活騒音トラブルの心理:なぜ騒音を我慢している人はキレやすいのか? →
稲田朋美防衛相は弁護士でありながら憲法・法律に疎く、国会でも回答に詰まって涙ぐんだり記者会見で同じフレーズを繰り返すだけの『答弁能力の低さ』が問題だろう。都議会選以前に、荷が重いのではないかと感じさせられる場面が多い。稲田防衛相本人は、ものすごくやる気があって辞任の意思などまったくないが、発言内容でなるほどと納得させられる部分が少ないのは気がかりである。
稲田防衛相、強まる更迭求める声 「厳粛受け止め」連発
自民党は安倍首相の政治腐敗疑惑・強権政治と国会議員(下村博文・稲田朋美・豊田真由子・二階俊博ら)の不祥事・失言失態で支持率を落としていたが、2012年来の国政選挙では四連勝であり、自民も都民ファーストも『敵失・無関心に助けられた圧勝』の側面は強い。民進は更に凋落、依然として政党政治の機能不全は続く。
続きを読む 都議会選挙における自民党の歴史的惨敗と小池百合子の都民ファーストの会の躍進:安倍政権閣僚の資質欠如の疑惑が深まる →
長期に社会・他者と接点のなかった中高年の異業種への再チャレンジやバイトは、『意欲(動機)・能力・適性・偏見・扱いにくさ』の面で困難が多い。自発的な意欲や人・場に合わせる社交性(意識転換・能力)がある人なら既に再出発している。
いったいなぜ? 増える中高年男性のひきこもり
20~30代前半の若い年代なら頑張って就職活動をすれば相応の場の正規雇用でも雇われる可能性はあるし、周囲の友人知人とのつながりもあって『人並みの人生設計をするための動機づけ(自分だけ無為な何もしてない人生を送ることの不安)』がひきこもっている状況から離脱する力になりやすい。年齢が上がってくると、周辺環境が大きく変わる。
続きを読む 増加する中高年世代の男性のひきこもりの問題:社会参加して働くための動機づけの再構築の難しさ →
政治経済・社会・思想の少し固めの考察から、日常の気楽な話題まで!mixiの日記・つぶやきのログも兼ねてます。