今、50代以下の人が公的年金が減額されたり家族・地域から孤立化したりする『老後の客観的現実』を見据えて構えるなら、無料低額宿泊所の屋根の下で衰弱死する事もまだ文明的な死と言えるかもしれないが。
『老衰・貧困・孤立』のコンボは、50代の壮年期までバリバリやって強気でいられた(いざとなったら自死する等)人でも70代以上の『その時』になってみないと分からないつらさである事は確かだが、自我意識・関係性・状況把握の明晰さを失う認知症もまた、人によっては老苦を和らげる生体防御機構の一つとも解釈できる。
今、50代以下の人が公的年金が減額されたり家族・地域から孤立化したりする『老後の客観的現実』を見据えて構えるなら、無料低額宿泊所の屋根の下で衰弱死する事もまだ文明的な死と言えるかもしれないが。
『老衰・貧困・孤立』のコンボは、50代の壮年期までバリバリやって強気でいられた(いざとなったら自死する等)人でも70代以上の『その時』になってみないと分からないつらさである事は確かだが、自我意識・関係性・状況把握の明晰さを失う認知症もまた、人によっては老苦を和らげる生体防御機構の一つとも解釈できる。
『人生100年時代の社会保障』というが、40代以下は負担に対する給付が大幅なマイナス転換するので、今以上の負担率で『支給開始年齢引上げ・支給金額引下げ』をするなら年金制度の意義は弱まる。
戦後のビジネスモデル云々というより、『賦課方式・終身給付・現役所得の代替率60%以上』の公的年金を、高額療養費を大幅免除する公的医療保険とセットで長期維持するハードルは元々高い。経済成長・人口と所得の増加が持続する期間はどの国・地域も限定的で、先進国となり経済・自意識が成熟すると需要も落ちやすい。
現代の気分が閉塞する原因の一つが、若い時から『老後の人生設計・高齢化と社会保障』に意識が囚われ、将来の備えに追われ続けている事だろう。『制度的な先細りの予定調和』の圧力によって、いくらお金を貯金していても足りないという不安が強くなるし、年金の減額や制度の改悪というのが常にプレッシャーとして働きやすい。
老後に必要な預貯金2875万円…貯蓄より投資に移行!? 資金運用は4年連続増
近代国家は国民の老後・障害・病気に備えるため『税・保険料』による社会保障(年金・福祉・健康保険)を制度的に充実させてきたが、経済成長と人口ボーナスが終わって『低成長・人口減少のターン』になってから、これらが『再分配後の格差・生活苦の一因(負担と給付で恩恵を得られるのは現高齢者だけ)』にもなった。
政府は最も需要のある『施設介護の増加』には後ろ向きで、社会保障削減の意図もある『在宅介護・通所介護と家族の互助』に頼ろうとしているため、『居場所のない・家族のない・資産のない・認知症のある高齢者』は増えるがどう対応できるか……。
一つの対応策は、緊急性のある状況以外は自分たちで生活してもらう『高齢者向けのグループホーム・シェアハウス』を増設し、比較的元気な時期に入所して他の高齢者の最低限の介護・世話をすれば『自分の入所資格』が得られるような仕組みを作る。『高齢者間の互助』でケアの質は低くても施設運営を成り立たせる事だろう。
利用者の自己負担額の引き上げや低い要介護度の入所制限などで『特別養護老人ホームの待機者』が各地で大幅に減少しているという。公的年金が少なく費用面で入所できない人、徘徊・排泄問題の認知症はあっても身体が動くため要介護度が低くて入所できない等、どこにも行き場のない『介護難民の増加』が懸念されている。
国は介護費用の急速な負担増を受け、介護予算を削減するため、『特養を中心とする施設介護から在宅介護・民間施設への方向転換』を行っている。財産のない低年金の高齢者は、家族の介護を求められるが、経済状態が悪い人ほど家族関係も疎遠・険悪な事が多い。居場所のない高齢者は増えるが、お金がなければ受け皿がない。
“要介護度”に併せて認定されても、症状や行動様式、介護者との相性や施設での対応の限界も考えられます。なので、”行き先のない介護難民”の中には、民営の非公認団体の介護ハウスなるものも増えているようです。
現代の経済成長・人口動態が停滞した『福祉国家・老後保障制度の不幸』は、生まれながらに80~90代まで生きる計画経済に嵌め込まれ、20代でさえ『老後が心配な老人の精神』に侵されて守りに入りやすい事だろう。
<老後の不安>非正規労働者は76% 正社員69% (毎日新聞 – 06月06日 10:52)
超高齢化社会・福祉国家の連動は、ただ高齢者が増え経済が停滞するだけでなく、メンタル面のアグレッシブな若者が減る副作用がある。20?30代から『財政危機・高負担を前提とする計画経済・予定調和』のフレームワークで考えざるを得ないから、資本主義の先進国も実質は身動きできない社会主義の末期状態に陥る。
現在の国家予算のうち約5割は『国債償還費・社会保障費』だが、社会保障負担は一般会計よりも特別会計のほうが大きい。保険料負担を含む社会保障総額は年間100兆円を超えた。一般会計で年1兆円増える、トータルでは年3~4兆円で社保コストは増える、今不十分とされる年金・医療介護の現状維持も相当な負担増が要る。