20世紀前半まで「モラトリアムな個人の時間・自由」など庶民にはなく、男は労働・兵役、女は結婚・出産育児・孫や老親の世話のうちに寿命が来たが、現代人は個人の幸せを無視できない。
「私って何者?」育児中、”自分が消えていく”感覚に襲われるママたち (ママスタジアム – 05月24日 13:01) http://mixi.at/a8s8Ytt
半世紀以上前の庶民の人生は、現代人の個人主義から考えたら耐え難い理不尽や義務・強制の嵐でもある。子供がたくさん産まれる社会は「(特に女性の)個人としての自由や楽しみが意識化されない社会」に近い。徴兵され20歳かそこらで死ぬ、炭鉱や鉄工所の労災で若くして死ぬも多く、私が何かを問う暇も個人的享楽もない。
1日12~16時間以上の過酷な肉体労働、狭い家で毎日朝から晩までの家事育児で子供はどんどん増えるといった環境は、現代人の感覚からするとブラックを超越している。実際、20世紀半ばまでの重化学工業や鉄鋼・機械、炭鉱・ダム・トンネルなどは労災死亡率が非常に高く、仕事が文字通り命懸けで自我や哲学が遠退く。
現代人は「個人としての自由時間・干渉されない自由領域」を重視する人が増加しているが、この欲求は歴史的に見ても王侯貴族でも(周りに絶えずお付きの者がいるため)、手に入れにくかったものである。
未婚化や少子化、早期退職の一因でもあるが、「一つの義務的な物事に一日全部は使いたくないの希望」は実現が難しい。
朝から晩まで長時間の仕事を何十年もしたくないと思えば、男性だと正規雇用のかなりの割合に適応できない。一日の8時間以下で拘束時間を減らすほど、収入も保証も評価も落ちやすい。朝から晩まで家族や子供のことばかりをしたくないと思えば、結婚生活や家事育児に何らかの支障が生じやすい。気楽なコミットは不可能に近い。
俺は時給10000円を確実に稼ぐ特殊なスペシャリストだからという人なら、一日三時間も働けば十分かもしれないが、そんな人は一万人に一人もいない。私は完全主義じゃなくアバウトだから、乳幼児でもずっとは見ません(怪我したら仕方ない)も、現代の親に求められる保護義務に違反しているとして叩かれるだろう。
○小中学生の女の子に誘拐・性犯罪などを目的に話しかけるのは許されないが、現代はナンパに限らず、知らない異性(同性も)にあれこれ話しかけることは一般的に容認されづらくなってはいる。何かを求められる説得・交渉・営業自体が害悪視されやすい。
不審者から一人の女の子を救った連係が話題 http://mixi.at/a8i7j55
小中学生の未成年者相手のペドファイルは明らかにアウトだが、よく知らない成人女性でも「雑談であれこれ返事を求める・お茶や食事に誘う・連絡先を聞く・関係性を作ろうとする」などは、基本的に場所や状況にもよるが、よほど気に入った相手でなければ迷惑である。大半の男性は、話題を選んで話しかけても基本喜ばれない。
続きを読む 仕事・育児の忙しさと自由時間の価値、知らない異性と話すことが難しくなった現代、時給1300円のZOZOのバイトなど