STAP細胞(Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells:刺激惹起性多能性獲得細胞)は、その作製方法と多能化が実証されれば、細胞生物学の既存の前提を覆して、iPS細胞よりも作製効率が良く応用範囲の広い万能細胞につながる世紀の発見となる。
だが、『Nature』掲載後に、他の科学者が同じ手順で実施した追試では、STAP細胞の作製に成功する実証事例がまだでていない。そのことから、STAP細胞の実在を疑う声が出始め、論文に掲載されたSTAP細胞の分化の瞬間の写真が、過去の小保方氏の博士論文に使われていた写真の使い回しだったことも明らかとなった。
過去に書かれた論文についても、写真の使い回しについては、ハーバード大の共同研究者であるチャールズ・バカンティ氏は、注意不足による単純ミスで研究の結果そのものに影響はないと自己弁護したが、その後も『過去の写真』に変わるべき『現在のSTAP細胞の分化の写真』は再提示はされていない。
共同研究者の若山照彦氏(山梨大学)が『小保方氏のいない実験室ではSTAP細胞の作製が一度も再現できない(細かな作製手順のコツの指導は小保方氏から十分に受けている)・STAP細胞の存在に確信が持てなくなったため論文の撤回をすべきではないか』といった自らの研究結果に対する自信を喪失したような発言をしだしたことから、STAP細胞作製の研究計画そのものの杜撰さや結果の確認の不手際(本当にSTAP細胞へと変質したのかの確認の不十分さ)、科学論文の構成・証拠の不備が強調される形となった。
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このニュースにある人類学におけるヒトの進化プロセスの仮説について、日本人と外国人の遠い祖先が同一だったのか否かといった意見も見られますが、日本人とアジア人(中国人・朝鮮人)の違いどころか、モンゴロイドとコーカソイド(白人)とネグロイド(黒人)は同じ“ホモ・サピエンス・サピエンス”という霊長類の種ですから、当然、その共通祖先を遡っていけば同じ猿人、類人猿の種に行き着きます。
「ヒト祖先は同一種」の新説…進化過程見直しも
『人種(肌の色の違い)』という概念も現代の人類学では明確な境界線が引けない(黒色から白色への無限のバリエーションと混血がある)という判断になってきていますし、『民族・国民』という概念になるともはや生物学的な分類の意味あいは殆どないわけですから、日本人とどこかの外国人の祖先が異なる種であるはずはありません。生物学的には、外見が極めて類似しておりDNAの塩基配列が同じで、相互に交配(生殖)も可能な個体は同一種と見なされます。
『人類の共通祖先が同一種である』というのは、グルジア国立博物館や米ハーバード大の国際研究チームが出した『原人同一種の仮説』とは全く関係がないもので、進化論・遺伝子生物学の初期から自明の前提になっています(日本人と中国人とアメリカ人の祖先が共通ではなく生物学的な別種だったなどの仮説は検討の余地そのものがないとされます)。
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物理学の究極の謎は、定量的研究の前提となっている『数値化された時間・空間』にある。1秒、1分、1時間などの数値化された時間というのは、僕たちにとってあまりにありふれた時間単位であるため、その実在性を改めて疑うことは滅多にないし、『時間が流れたり過ぎたりする感覚』は住民票(戸籍)・家族・社会制度があり、年齢や速度(移動時間)を意識するようになった人間にとっては当たり前の感覚とされる。
しかし、未開民族には自分の誕生日や年齢を知らない人も多いし、時間感覚も『時計で測れる時間』には依拠しておらず、何時何分というような概念を持っていない。太陽の動きと日々の生活リズムによって大まかな時間を知るだけであり、誰が年上で年下かくらいはわかるが、具体的に自分が何歳であるか相手と何歳の年齢差があるかなどについての認識は大雑把なことが多い。
公的な住民登録制度がなく誕生日を祝う習慣、同年齢の他者と学校に通学させる制度(企業に就職する仕組み)などがない自然と共生する社会、人口規模が極端に小さな集団に生きていれば、恐らく誰もが『自分の誕生日・年齢』についての認識は曖昧になるだろう。
常識的には、時間・季節の流れは『地球の自転・公転、地球と太陽の位置関係』によって規定されたり、1日を24時間、1年を365日と定めた定義に従う『時計の針の動き』によって時間を確認しているが、これは厳密には『時間』ではなく『一定速度を持った天体・針の運動』である。何らかの運動や変化を観察せずに『時間』を確認することはできないが、時間は決して止まることがない、あらゆる場所で絶えず流れているという仮定は強固なものとしてある。
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