安倍政権が所得税の税制改革で、課税単位を『個人』から『世帯(夫婦+働いている子など)』に転換したり、『子の扶養控除の積み増し』を検討しているという。女性の社会進出や就労率の向上が目的とされているが、累進課税制の所得税では『夫婦の所得合算に対する課税』は個人で納税する時の税率よりも税率が上がり、『実質の増税』になる可能性が高い。
195万円以下の所得に対する所得税は5%であり、個人単位なら課税所得が180万円同士の夫婦なら各自5%の所得税(合計18万円)だけで済むが、世帯単位で合算するなら年収360万となり20%の税率が適用されること(72万‐控除の427500=合計292500円)にまで増税されてしまう恐れがある。
また、従来は主婦や学生が単発のアルバイト(お小遣い稼ぎ)を繰り返しても年収38万円以下なら申告義務がなく無税であるが、世帯単位になると38万円以下(給与所得者の20万円以下)の小さな収入でも合算されて課税され税率が上がる可能性も出てくる。夫が年収400万だとしたら、世帯収入が438万とみなされるかどうかは分からないが(納税義務が生じる最低所得金額は個別に38万円で据え置かれる可能性もある)。
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更に、モノはあっても売り切れない。これらは日本が直面している『豊かさの中の貧困・近未来の人材不足(人口減少)・価格競争(ダンピング)と平均所得の下落(中流崩壊)・仕事と消費の選好(選り好み)の強さ』を予見する現象である。
行政は収税と公的事業に『一切の無駄がないという建前・予算を減額する余地がないという組織の論理』によって、予算を使い切ることに対する半ば強迫的な義務感を持つことが常であり、予算が余って積み上がっていくことはなかなかなく何らかの公的事業・インフラ整備・備品購入などで調整される。
使い切れぬ復興予算 事業進まず基金化3兆円 被災3県
だが、岩手、宮城、福島の3県と各市町村の『震災復興事業』では市町村の復興ビジョンやそのための具体的な工程表・仕事の割り当ては描けていても、その実務を担って必要な予算を使う職員と労働者の絶対数が不足しているため、復興基金のお金だけが積み上がっていく。
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バスの車体が防音壁に衝突して真っ二つに割けるような関越道の高速バス事故が発生したことで、『長距離高速バスの規制強化』が行われたが、それでも今回のようなバス事故(予測困難な居眠り・発病・発作などによるバス事故)を完全に防ぐことはできないだろう。
大型二種免許を所持する運転手が運転するバスもまた自動車の一種であり、人間が運転する自動車の事故がゼロには決してならないように、バスの事故も『運転ミス・貰い事故(他車の衝突)・体調悪化・発病や発作・睡眠不足・整備不良(部品劣化)・運転手の過労状態』などの各種のリスク要因によって引き起こされる確率がある。
公共交通手段の安全性の高さは、『航空機・鉄道(JRなどの列車)・バスやタクシー(自動車)』の順番で低くなるが、長距離夜行バスは何といってもその低価格が人気となっており、同じ距離を飛行機や新幹線で移動するよりも半額以下の価格で行くことができる。安全性の高低は、一般道を走る路線バスやタクシーなどでは殆ど意識する必要はないと思うし、実際に一般道の路線バスの死亡事故(怪我するような事故は稀にあるが)というのは滅多に起こらない。
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正規雇用と非正規雇用の待遇格差が問題視され始めてから10年以上の歳月が流れたが、全雇用に占める非正規雇用の比率は上昇を続けており、『非正規(短時間労働)を希望する人・学生や主婦のアルバイト(パート)』なども含めてではあるが、非正規率が30%以上を占めるようになってきた。
3人に1人が非正規雇用と言われる中、『同一価値労働・同一賃金の原則』が通用しない雇用待遇に関する不満がでたり、『全力就活(一度の就活で生涯のキャリアや職業的地位が決まるといった階層社会的な考え方)』を意識して、就職が決まらないだけで人生・仕事がダメになると思い込み、精神的に追い詰められる学生(その極端な事例としての就活自殺・精神病の発症など)が増えたとも言われる。
かつて学生のアルバイトというと『生活費・学費以外の自分の自由にできるお小遣い』を稼ぐための短時間の仕事というイメージが強かったが、現在では授業料・生活費(家賃・食費など)のすべてを親が出せるような裕福な家計が激減し、学生であっても『学校に通うため・生活するため』の絶対にしなければならないバイトに従事する人が増えている。
主婦のパートも学生のアルバイトも、以前のように『してもしなくても良い仕事』の位置づけから外れつつあり、『必要な生活費・学費などを稼ぐための仕事』になっている現状がある。このことが『試験前でも休めないバイト・バイトなのにフルタイム並みに長く拘束される仕事(責任やノルマを厳しく課される仕事)』などを生み出し、学業・通学とバイトの比重が逆転してしまう『ブラックバイト』といった言葉もでてきた。
厚生労働省の労働政策審議会が『労働者派遣法』の改正を検討しているが、この改正では通訳・秘書・貿易事務などの『原則無期契約の専門26業務の区分』が廃止されて、すべての職業分野において派遣で雇われる人は、派遣会社との間で『有期契約か無期契約かの契約』をすることになる。
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2013年は参院選挙に自民党が勝利したことで“衆参のねじれ”が解消して、『自民党の一強多弱の政党政治』の路線が確立し、アベノミクスの異次元の金融緩和と公共投資が行われた。安倍政権は市場に大量のマネタリーベースを供給することで企業活動を支援して、政権初期のスタートダッシュを掛け、株価を急騰させる成果を上げたが、円安に大きく触れた反動で『食品・原油・電気ガス』のコストも上がる傾向にある。
安倍政権が今年の経済政策の課題として上げるのは、『企業の景気回復の実感が労働者にも及ぶようにすること』と『8%への消費税増税によって景気が腰折れしないこと』である。
だが、企業規模の大小や企業業績の格差、旧国営企業の好調、軽減税率導入の先延ばしなどを考えると、『アベノミクス効果の給与への還元・消費増税後の景気実感』にはかなりの格差が開くことになりそうな雲行きである。
雇用法制についても、『労働者派遣法の規制緩和+ホワイトカラー・エグゼンプション(管理職と見なされる労働者の労働時間規制の撤廃)の導入』が検討されているが、これらの雇用改革は一般労働者のメリットというよりも経営者のコスト削減に貢献するものである。
すべての職種で有期の派遣労働を可能にして雇い止めの違法性を無くす派遣法の規制緩和は、確かに『労働市場の流動性の上昇+労働者採用の実力主義の競争』というメリットも生まれる可能性はあるが、現状の日本の雇用制度はそういった市場的な競合性を公正に判断する指標そのものを持っておらず(そもそも既存の正社員を任意に解雇した上で別のより有能な労働者と入れ替えることは現状では労基法に反する違法行為である)、画餅に過ぎないようにも思える。
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現在よりも喫煙率が高くて職場の禁煙・分煙も不徹底だった1990年代頃までは、『職場の管理者・上司』が喫煙者であることが多かったこともあって、“タバコ休憩の持ち回り”は暗黙の了解のようなものでもあった。
喫煙者と非喫煙者との間で『休憩を取る頻度』に差があるのは不公平ではないかという意見もあるが、喫煙率が高かった当時でも『喫煙者だけの休憩』というわけではなく、非喫煙者であっても“順番の持ち回り”で(お茶を飲んだり雑談をしたりで)5分程度の休憩を取っていることが多かったのではないかと思う。
「ちょっとタバコ吸ってきます」 喫煙休憩は「労働者の権利」として認められるか?
各種の店舗などでの現場仕事であれば、『忙しい時間帯』と『暇な時間帯』の落差があるので、暇な時間で人員が余っている時には順番で休憩に入っていたりもしたが、2000年代からは徹底した人員削減の合理化で暇な時間帯には『一人体制(担当時間は休憩に原則入れない体制)』も多くなったので、そういった短時間休憩(これをいわゆるタバコ休憩ということが多かった)の持ち回りのような慣習も廃れていったのだろう。
状況や進捗を見ながら短時間休憩(タバコ休憩)を取れる環境・管理体制であるか否か、勤務時間内での喫煙が明確に禁止されている会社(組織)なのかどうかが関係してくるが、勤務時間内には『仕事以外の一切の行為』をしてはいけないというレベルの厳しい管理体制にある会社・職種であれば、タバコ休憩は労働者の権利でもなければ従業員が交代で取れる休憩でもないということになる。
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